トライアスロン世界選手権大会への出場方法

トライアスロンの世界選手権大会。

『そんなに速くないから縁がないよ』と思われている方もおられるかもしれません。

これまでは対象の大会において上位入賞しなければ出られませんでしたが、2022年のランキング方式変更により、日本代表としてグッと出場できる可能性は広がりました。

ここではその詳細を解説します。

2つの世界選手権大会

世界選手権大会は大きく2つあります。

ワールド・トライアスロン・コーポレーション(WTC)が主催するアイアンマン世界選手権大会(アイアンマン・コナ)と、
ワールドトライアスロン(WT※)が主催する世界選手権です。(※2019年まで国際トライアスロン連合(ITU)という名称)

ここではWT世界選手権、正式には”ワールドトライアスロンマルチスポーツ選手権”の一つの種目である、『ロングディスタンス世界選手権』の出場についてまとめています。

WT世界選手権大会では、ロングディスタンスといっても、いわゆるミドルくらいで、スイム2km、バイク80km、ラン18kmの設定となっています。

WT世界選手権大会への出場基準

WT世界選手権大会に出る出場基準は、大会ごとに決められていて、JTUのホームページを確認する必要があります。
https://www.jtu.or.jp/qualification/

一般の方は『エイジ』のタブを開いてください。

ここで目標とする大会の”ロングディスタンストライアスロン日本代表出場基準”を探してクリックします。
(ここには今後予定されている世界選手権大会への出場基準が書かれていて、ロングディスタンスアクアバイクやロングディスタンスデュアスロンなど見間違うものがあり、ちょっと見にくいです…)

リンク先にエントリー基準が記載されています。

これを書いている2022年10月の段階では、2023年のスペイン・イビザ島で行われるロングディスタンス大会に関する基準は書かれていません。
このため、2022年8月にスロバキア・サモリンで開催された基準を見てみましょう。https://www.jtu.or.jp/news/2021/03/24/40473/

ここには

[3]エントリー基準
  1)ロングディスタンス・エイジランキング対象大会、各年代別カテゴリー20位以内の選手

というのがあります。

これまでは、ランキングの他、五島や佐渡の大会で年代別の上位であれば参加資格を獲得できるという方法があったのですが、コロナでの大会中止なども考慮されたのか、2022年の基準にはありませんでした。

以前)
五島長崎国際トライアスロン大会で
 ・Aタイプ各年代別12位以内に入る
 ・Bタイプ各年代別6位以内に入る

佐度国際トライアスロン大会で
 ・Aタイプ各年代別6位以内に入る
 ・Bタイプ各年代別3位以内に入る

もしかしたらこの基準が復活するかもしれませんが、これがない場合の出場権獲得のため、年代別カテゴリーの順位が決まるランキング制度を理解しておく必要があります。

ポイントとランキング制度

これまではランキングのポイントを獲得するには、かなりのハードルがありました。2018年まではレースで年代別上位5位以内、2019年以降は年代別10位など、上位に入らなければポイントは獲得できない=そもそもランキングすら入ることができないものでした。

これが2022年に大きく見直され、対象大会で、1位とのタイム差により完走者全員がポイントを獲得できるようになっています。

・1位を取れば、1,000ポイント。
・2位以降は各年代別1位の選手とのタイム差から差分ポイントを計算する。(下表)
・ポイント加算大会数は、基本『(ロング距離、ミドル距離合わせて)2大会』とする。

このルールの詳細は以下のリンク先にあります。
JTUトライアスロンエイジグループ・ナショナルチャンピオンシリーズ 2022参加者ガイド

1位を取っても1レースしかでなければ、総合ポイントは1,000P。
以前はポイントがつかなかった年代別30位であっても、2大会参加した場合、そのポイントは上記の表ケースのタイム差であれば総合ポイントは820x2=1,640Pとなり、1レース1位のみの人よりランキングが上になります。

ポイント加算大会数は最大2レースのため、一発で決まる大会選考基準がなければ、少なくとも2つのロング/ミドルの大会に出場する必要があります

そして2つのレースで、それぞれ20位以内になる、というのが権利獲得の一つの目安になります。

ポイント取得の対象となる大会

ロング・ミドルの大会全てがポイントを得られるわけではありません。
ポイントが取得できるミドル/ロング対象の大会は決まっていて、2022年では以下の6つでした。

  • 第10回長良川ミドルトライアスロン102 (岐阜県海津市)
  • スワコエイトピークスミドルトライアスロン大会 (長野県諏訪市)
  • 五島長崎国際トライアスロン大会 (長崎県五島市)
  • 佐渡国際トライアスロン大会A (新潟県佐渡市)
  • トライアスロン伊良湖大会2022 (愛知県田原市)
  • 第10回長良川ミドルトライアスロン102 秋 (岐阜県海津市)

各大会においてどれくらいポイントが取得できたかは以下のページにあります。
エイジ(ロング)ランキング

そして年代別ランキングは上記ページの下の方、「最新ランキング」をクリックしたところにあります。
2022年現在の総合ランキング

大会を選ぶ上での注意点

加算ポイント大会数は2大会まで』となっていますので、多くの大会に出てもポイントがざくざく貯まるわけではありません。
3つ以上参加した場合は、上位2つの大会のポイント合計になります

天候不良などによって、スイムが中止となり2種目になった場合は、75%のポイント、1種目になった場合は、50%のポイントが与えられることになります。(上記のガイド参照)

つまり、2種目しか開催されなかった場合の最大ポイント数(1位の人のポイント)は750となり、獲得できるポイントが大きくダウンすることになります。750ポイントは、3種目行われた場合の20位〜30位くらいのポイントで、1位でやっとそのポイントが取れると考えると、いかにポイントが下がるかが分かるかと思います。

天候不良になって種目が減る可能性を考えると、3つの大会参加を考えておいた方がいいかもしれません。
特に台風シーズンとなる後半の大会は、要注意です。

WT世界選手権大会の開催地

今後の開催予定地は以下のとおりです。

2023年 スペイン・イビザ島 (2022年権利獲得者)

2024年 オーストラリア・タウンズビル (2023年権利獲得者)

最新情報はWTホームページで確認できます。

以上、トライアスロン日本代表としてWT世界選手権大会(ロング)に出場権利を獲得する方法です。

一生に一度は出てみたいですね!

私はなかなか仕組みやどこを見ればいいのか分かりませんでしたので、まとめてみました。ご参考になれば幸いです。

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